保険に加入する基本的な考え方を実際の現場を経験されている方からお聞きしたいです。
- 東京都在住の35歳、独身女性です。
現在は会社員で年収は約400万円。
健康には気を遣っているつもりですが、最近は将来の病気やケガ、入院費用のことが気になりはじめました。
これまで保険は職場の団体保険に加入しているだけで、個別の見直しや検討はしたことがありません。
SNSなどで「医療保険は不要」「がん保険だけでいい」「貯蓄型は損」など、いろいろな意見を目にするたびに、逆にどうすればいいのか分からなくなっています。今の私に必要な保険は本当にあるのか?老後資金やマンション購入も視野に入れている中で、毎月の保険料を無理なく支払いながら、もしもの備えをしておきたいです。独身女性である私のような立場の場合、医療保険やがん保険、収入保障保険など、どれを優先すべきか、また保険に加入する際の注意点、基本的な考え方などがあれば、教えてください。 -
ご相談いただきありがとうございます。
ファイナンシャルプランナーの小柳善寛と申します。相談者さまがご自身の未来に真剣に向き合い、情報に流されるのではなく「本当に自分に必要なものは何か」
これからの人生の事を真剣にお考えされた第一歩ですね今の相談者さまのような姿勢こそがとても大切だと思っています。
◆ まず、お伝えしたい大前提があります。
それは、「保険は“入ること”が目的ではなく、“人生を守る手段”である」ということです。
保険を考えるうえで混乱してしまう原因のひとつが、「情報があふれていて、しかもそれぞれが正反対のことを言っている」ことにありますよね。
・医療保険は不要
・がん保険は必要
・貯蓄型は損
・いや、掛け捨てはもったいない…こうした言葉は、どれも“ある人”にとっては正解かもしれません。でも、それが「自分にとっての最適解」かどうかは別問題です。
ですから、相談者さまに今必要なのは、“万人に当てはまる正解”ではなく、自分の生活や価値観に合った備えです。
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◆ Sachi6さんのような独身女性が、今備えておくべき保険とは?
現時点での年齢やご収入、今後のご希望(老後やマンション購入)などをふまえると、まずは次の3つのリスクに注目することをおすすめします。
【1】病気やケガによる入院・手術費用
→ 医療保険でカバーできます。しかしながら… 医療保険については、「実際には使わずに終わる」「一生涯払った保険料以上の給付金を保険会社から貰う方はほんの少数という方が多いのも事実です。
特に若くて健康意識の高い方であれば、長期入院をする機会はそう多くなく、給付金を受け取る前に払い込んだ保険料の方が上回っているというケースも少なくありません。
「保険料を払うからには、それ以上の価値がある保障かどうか?」という視点を持つことは、とても大切です。
【2】がんなどによる長期治療費
→ がん保険(診断給付金タイプ)で備えると安心です。がんは、治療が長引く・再発する・通院
今後は往診の診察や治療、オンライン治療も保障が大事です特に、自由診療による治療に対応した保障も増えています。
自由診療とは、保険診療の枠にとらわれず、最新の抗がん剤や免疫治療など、自分に合った最善の医療を選べる仕組みです。
健康保険は全額負担の自由診療の治療費は高額になりがちです。数百万円、数千万円単位の治療費が必要になることもあります。
そうした高額な自由診療費用を全額カバーできるがん保険もあります。
数千万円も掛かる自由診療の治療代も含め保険会社から病院に直接お支払いします
この保険は未承認抗がん剤など薬科代の制限がある保険会社もあるので関係なく全額青天井でお支払い出来る保険会社(一社しかありません)ガンに罹患しても「癌と戦える保険」のご選択はとても大事です
癌に罹患した場合…
「通常の生活」から「治療中心の生活」になる事を想定して中途半端なガン保険ではなく、癌に罹患しても社会復帰して元気に働く事が出来るように備えては如何でしょうか?診断一時金だけでは自由診療の治療代は賄うことは難しいです
まとまった給付金が受け取れるタイプ、入院しなくても治療開始と同時に手元にお金が届き、生活費や通院費にも自由に使うことができます。
さらに最近のがん治療は、通院中心で体への負担も軽く、治療後の社会復帰も早い傾向にあります。
「がんになっても治療を受けて、普通に生活に戻る」ことが当たり前になりつつある今、がん保険は“生きる力を支える保険”としての存在感を増しています。
だからこそ、保険を検討する際には、
「本当に困るときに、自分の意思で治療を選び、それを経済的に支えてくれる保障があるか」
この視点で選ぶと、納得のいく備えができるはずです。この内容は、FP相談やセミナーでお話ししても納得されやすい流れになっています。
特に20代〜30代のうちは貯蓄がまだ充分でないことも多く、万一の出費が生活を直撃してしまうケースもあります。
【3】働けなくなったときの収入減
→ 就業不能保険や収入保障保険でカバーできます。会社員であれば、最長1年半の「傷病手当金」はありますが、それ以降の生活を支える公的保障はほとんどありません。
数年単位で働けなくなった場合も想定し、月10万円程度の保障を一定期間受け取れるようにしておくと安心です。◆ どうやって選べばいいのか?
結論から言えば、保険は“最低限でいいから、確実に役立つもの”を選ぶのが正解です。
「入院したときに、本当に支えになるか」
「長期療養でも、生活費に困らないか」
「無理なく払える金額に収まっているか」この3つが、納得のいく保険選びの基本軸になります。
そして大切なのは、“貯蓄や資産形成と混ぜない”ことです。
NISAやiDeCoは「使える制度だからとりあえず始める」ものではなく、長期で資産を寝かせる覚悟があってこそ本領を発揮しますよね。
将来のマンション購入や老後資金の準備については、NISAやiDeCoといった資産形成制度の活用も視野に入れられているとのこと。
非常に前向きで素晴らしい考え方ですが、ここでひとつ、大切なことをお伝えさせてください。NISAやiDeCoは、「とりあえず始める」制度ではありません。
たしかに税制メリットが大きく、“おトクな制度”として話題になることも多いですが、これらはあくまで**「長期で運用すること」を前提とした仕組みです。
特にiDeCoに至っては60歳まで原則引き出しができませんし、新NISAでも運用の本当の成果が出てくるのは最低でも20年程度の継続があってこそ**です。
つまり、資産形成として活用するなら、「どんなことがあっても20年は手をつけない」という覚悟が必要だということです。
「余裕資金で」「目的を明確にして」
この2つを大前提にしてはじめて、NISAやiDeCoは“使ってよかった”と感じられる制度になります。だからこそ、こうした制度と保険を役割で分けて設計することが大切です。
保険は万が一の備えとして「守るため」、
NISAやiDeCoは未来に向けて「育てるため」。それぞれの性質を理解しながら、自分のライフプランに合わせて使い分けていくことが、最も賢い選び方だと考えだと思います
◆ 最後に——これからの変化も見据えて
今は独身でいらっしゃっても、将来的に結婚や出産などで家族が増える可能性がある方、あるいは30歳を超えた頃から徐々にライフプランの輪郭が見えてくる方にとっては、保険は一度きりの契約で完結するものではなく、**“変化に合わせて見直していくもの”**という考え方が大切です。
「今の自分に合った保障」と「これから先に必要になるかもしれない備え」、その両方を意識することが、人生のリスクを穏やかに受け止める土台になります。
これからどんな道を選ばれても、「自分らしい選択だった」と思えるように。
そのための一歩を、ぜひ今日から始めていただけたらと思います。またいつでも、安心してご相談くださいね。
ファイナンシャルプランナー
小柳善寛

